飛行機内でウイルステロ発生?韓国映画『非常宣言』レビュー

飛行機内でウイルステロ発生?韓国映画『非常宣言』レビュー

高度28,000フィートの飛行機内で発生したバイオテロを描いた韓国発のパニック映画『非常宣言』。韓国映画界を代表する大俳優のソン・ガンホとイ・ビョンホンの豪華タッグで送る本作は、初日から4日間で興行収入9000万円のヒットスタートをみせ、「新感染に続く韓国映画の大傑作」と絶賛されています。

極限の状況で愛する人を守ろうとする姿は、現代の感染症の脅威に晒された世界では圧倒的なリアリティを感じる作品です。今回は、そんな話題の映画『非常宣言』について紹介していきます。

Contents

作品情報

  • 放送開始日:2023年1月6日
  • 監督&制作&脚本:ハン・ジェリム

飛行機内で発生したウイルステロを描いたパニック映画。本作は、韓国映画界が世界に誇る2大スターの共演をはじめ、大物キャストを揃えた超大作であり、高い演技力と最新の映像技術、特殊効果が迫力のあるドラマを作り上げています。極限の状況下で試される人間性や、それぞれの人物の選択は痛いほどのリアリティを持って観客の心に訴えます。

監督・脚本を務めるハン・ジェリムは、2005年『恋愛の目的』で数々の映画賞を受賞。そして、2007年『優雅な世界』で本作に出演のソン・ガンホとタッグを組み、第28回青龍映画賞最優秀作品賞・男優賞と第27回韓国映画評論家協会賞最優秀作品賞を受賞しています。ソン・ガンホとは、『優雅な世界』『観相師-かんそうし-』に続き、本作が3作目の共演です。

『非常宣言』のあらすじ

飛行機恐怖症のジェイ・ヒョク(イ・ビョンホン)は、娘の治療のためハワイへ向かう空港で、自分たちに執拗につきまとう威嚇的な若い男(イム・シワン)が、同じ便に搭乗したことを知り不安になります。機体はハワイに向かって飛び立ちましたが、離陸後まもなく1人の乗客男性が死亡。直後に、次々と乗客が原因不明で死亡し、機内は恐怖で混乱します。

一方、地上では、妻とのハワイ旅行をキャンセルしたベテラン刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)が、飛行機のウイルス・テロについて捜査を開始。そして、その飛行機には妻が搭乗していることを知るのでした。

また、ウイルス・テロの知らせを受けた運輸大臣のスッキ(チョン・ドヨン)は、機体を緊急着陸させるため国内外での交渉を開始。機内でも副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)は、乗客の命を守るために奮闘していましたが、飛行を続ける限界が近づき「非常事態宣言」を発動。ついに機体は操縦不能に陥り、地上へと急降下していくのでした。

『非常宣言』の登場人物とキャスト

パク・ジェヒョク(イ・ビョンホン)

娘の治療のため、飛行機に乗り合わせた元パイロットであるが、過去の事故でトラウマを抱えている飛行機恐怖症の男。

過去のトラウマを抱えつつ、娘を守るために飛行機に乗り込んだ男パク・ジェヒョクを演じるのは、韓国映画界が世界に誇る俳優のイ・ビョンホンです。イ・ビョンホンは、2000年に公開された主演映画『JSA』が韓国国内で大ヒットして社会現象起こし、その後も、2004年ドラマ『美しき日々』が日本で放送されると”韓流四天王”の1人として韓流ブームを牽引しました。2009年にはハリウッドに進出し、『REDリターンズ』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』『マグニフィセント・セブン』などに出演。2016年の第88回アカデミー賞では韓国人俳優初のプレゼンターも務めました。

ク・イノ刑事(ソン・ガンホ)

妻が乗った飛行機でバイオテロが起こり、地上からテロを解決させようと奔走するベテラン刑事。

ベテラン刑事で地上から妻や乗客を救おうと奔走するク・イノ刑事を演じるのは、韓国を代表する実力派俳優のソン・ガンホです。1996年『豚が井戸に落ちた日』で映画デビュー。その後、1999年アクション大作映画『シュリ』では主人公の相棒役を好演。イ・ビョンホンと共演した2000年『JSA』では大鐘賞で主演男優賞などを受賞し、国際的にも注目を集めました。その後も韓国スター俳優として不動の地位を確立し、2009年『渇き』、2013年『弁護人』、2016年『密偵』など数々の映画で主演を務めています。

キム・ソッキ(チョン・ドヨン)

国土交通省大臣として、バイオテロの起こった飛行機を着陸させるため、国内外と交渉を図ります。

国土交通省大臣として奔走するキム・ソッキを演じるのは、女優のチョン・ドヨンです。チョン・ドヨンは、1992年に女優としてデビューし、ペ・ヨンジュンと共演した『若者のひなた』などに出演。その後、映画にも活動の幅を広げ、1999年『我が心のオルガン』や『ハッピーエンド』、2003年『スキャンダル』、2005年『ユア・マイ・サンシャイン』などで幅広い役柄で活躍。2007年『シークレット・サンシャイン』では、韓国人として初めてカンヌ国際映画祭の主演女優賞を受賞しました。

ヒョンス(キム・ナムギル)

バイオテロにより機長が死亡してしまうなか、自らも感染しながら乗客を救おうとする副操縦士。

副操縦士のヒョンスを演じるのは、俳優のキム・ナムギルです。キム・ナムギルは、1999年ドラマ『学校1』で俳優デビュー。2009年の時代劇ドラマ『善徳女王』に出演しブレイクを果たします。2010年には日韓合作ドラマ『赤と黒』で主演しています。

リェ・ジンソク(イム・シワン)

ジェヒョク親子につきまとい、機内にウイルスを散布した実行犯ですが、目的が見えない謎の男です。

不気味な謎の実行犯リェ・ジンソクを演じるのは、歌手であり俳優のイム・シワンです。イム・シワンは、韓国のボーイバンドZE:AとそのサブグループZE:A FIVEのメンバーであり、俳優としての代表作には、2013年映画『弁護人』、2014年ケーブルシリーズ『ミセン~未生~』での主演があります。

ヒジン(キム・ソジン)

客室のチーフパンサー。テロが起こり混乱する機内で秩序を保とうとする強い女性です。

感染の危険に晒され混乱した機内で気丈に振る舞う乗務員・ヒジンを演じるのは、女優のキム・ソジンです。主な出演作には、2017年『ザ・キング』、2019年『未成年』、2020年『KCIA 南山の部長たち』、2021年『モガディッシュ 脱出までの14日間』などがあります。

『非常宣言』に対するネットの評判は?

 

 

『非常宣言』のレビュー・総評

韓国映画界が世界に誇る豪華キャストと、確かな実績のある監督が送るパニック映画。緊迫する状況の中での人間心理が巧みに描かれており、よくあるパニック映画にとどまらない人間ドラマを描いているのがおすすめのポイントです。どの人物の心情も理解できるが故に、ラストの選択の賛否は分かれるところですが、正しさが分からないからこその緊迫感がとてもリアルで刺激的な作品になっています。

投稿者 mutta

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