巨匠・庵野秀明監督の2016年公開の『シン・ゴジラ』以来の実写映画。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『シン・ウルトラマン』のように、原作である石ノ森章太郎の特撮テレビドラマ『仮面ライダー』を基軸に今までの物語の連続性を捨て、新たな物語を構築したリブースト作品です。
今回はそんな『シン・仮面ライダー』について紹介していきます。
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作品情報
- 放送開始日:2023年3月18日
- 脚本&監督:庵野秀明
- 原作:石ノ森章太郎
- 制作:紀伊宗之 小出大樹
- 制作総指揮:白倉伸一郎 和田倉和利
- 制作会社:シネバザール
- 配給:東映
「仮面ライダー」が生まれて50年の記念作品。テレビ放送時に子どもだった庵野秀明監督が、自分が幼少期に受けた恩恵を返したいという想いから始まった企画であり、現在を生きる子どもも、大人になった当時の子どもも楽しめる作品であるように、また、原作者である石ノ森章太郎と東映生田スタジオの残した世界観を現代に置き換えた作品にしたいという庵野秀明監督の挑戦作でもあります。
これは50年を節目とした「最新の仮面ライダー」であり「原点の仮面ライダー」作品です。
『シン・仮面ライダー』のあらすじ
謎の組織から逃げ出した本郷猛は、緑川ルリ子をバイク「サイクロン号」に乗せ、追手のトラックから逃げていた。追手の「人外融合型オーグメント」と呼ばれるクモオーグにルリ子が捕らえられそうになった時、本郷は「第1バッタオーグ」に変身し、人間離れした力でクモオーグ達を惨殺し、ルリ子を救出するのだった。
自分の力に動揺する本郷の前に、ルリ子の父・緑川弘博士が現れ、本郷がなぜ変身できるようになったのかを話し始めた。それは、本郷は、秘密結社「SHOCKER」で緑川博士が開発していた「昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクト」の被検体になり、最高傑作の「第1バッタオーグ」へと改造されたこと。そして、組織の思想と決裂した緑川博士は、組織壊滅のために本郷の力を必要としていると語るのだった。
『シン・仮面ライダー』の登場人物とキャスト
本郷猛(仮面ライダー・第1バッタオーグ)(池松壮亮)
バイクを愛する主人公の青年。秘密結社「SHOCKER」の緑川弘博士により、バッタとのオーグメンテーション手術を施され、人間離れした身体能力を持つ「昆虫合成型オーグメント・バッタオーグ」になるも、ルリ子に救出されてからは「仮面ライダー」と名乗り、彼女と行動を共にしている。
主人公の仮面ライダー1号・本郷猛を演じるのは、俳優の池松壮亮です。池松壮亮は、2001年劇団四季のミュージカル『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。2003年には映画『ラスト・サムライ』でスクリーンデビュー。その後は、数多くのドラマや映画に出演。代表作には、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』や映画『男たちの大和 YAMATO』、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』などがあります。
緑川ルリ子(浜辺美波)
本郷を改造した緑川弘博士の娘。優れた頭脳をもち冷静沈着。自身も「SHOCKER」に所属していたが、組織の理念に疑問をもち、本郷を逃がし、彼と共に行動する。
本郷と行動を共にする女性・緑川ルリ子を演じるのは、女優の浜辺美波です。浜辺美波は、2011年第7回「東宝シンデレラ」オーディションにおいてニュージェネレーション賞を受賞。その後、数々の映画やドラマ、ミュージックビデオに出演しています。代表作には、ドラマ『私たちはどうかしている』、『咲-Saki-』シリーズ、『賭けグルイ』シリーズ、映画『君の膵臓を食べたい』や『思い、思われ、ふり、ふられ』があります。
一文字隼人(仮面ライダー第2号・第2バッタオーグ)(柄本佑)
本郷と同じくオーグメンテーション手術を施された人間。正義感に溢れるジャーナリストであり、強い精神力により洗脳をはねのけ、自身の性格を保持している。SHOCKER側の刺客として現れるが、ルリ子によって洗脳から解放されると「仮面ライダー第2号」と名乗るようになる。
本郷と同じく変身する能力を持つ一文字隼人を演じるのは、俳優の柄本佑です。柄本佑は、2003年映画『美しい夏キリシマ』で主人公の少年役を演じ、第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第13回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。その後も、数々の映画で主演を務めています。2007年NHK『シリーズ青春が終わった日 ぼくもいくさに征くのだけれど~竹内浩三・戦時下の詩と生』では24回ATP賞テレビグランプリ2007情報・バラエティ部門優秀賞を受賞。2013年には舞台『エドワード二世』で主演をこなし、第21回読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞しています。
緑川弘(塚本晋也)
SHOCKERに所属していた研究者。ルリ子の父であり、本郷にオーグメンテーションを施した人物。
本郷を改造した研究者・緑川弘を演じるのは、映画監督である塚本晋也です。塚本晋也は、自ら制作や監督、脚本や撮影、美術や編集、俳優までこなす才能の持ち主。1989年『鉄男』でローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞。俳優としては2021年度前期の連続テレビ小説『おかえりモネ』でジャズ喫茶のマスターを演じています。
緑川イチロー(仮面ライダー第0号・チョウオーグ)(森山未來)
ルリ子の兄で、緑川弘の息子。母親が通り魔に殺されたことで世界に絶望しており、自分の理想郷を求めている。チョウオーグとして、圧倒的な戦闘力を持っている。
ルリ子の兄であり、チョウオーグとなった緑川イチローを演じるのは、俳優の森山未來です。森山未來は、2004年の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で主人公の少年期を演じ注目されました。その後も、主役を演じた映画『モテキ』がヒットするなど、実力派俳優として活躍を続けています。
『シン・仮面ライダー』に対するネットの評判は?
「#シン仮面ライダー 」
シンシリーズで個人的に1番好きでした。
浜辺美波が可愛かった。 pic.twitter.com/sXaJguXUsj— ナイン (@77__nine_st) May 2, 2023
シン・仮面ライダーを観てきました。
ネタバレ回避して感想を述べるのが難しい作品だけど、随所に庵野監督らしさを感じるとこもあれば、あれ?って思うとこもあったり。
専門用語が付いてけないとこもあったけど、バトルシーン多めで大人の初代ライダー映画という感じでした。 #シン仮面ライダー pic.twitter.com/vCcuU5eA3U— 夏風RORO (@72_mujika) May 2, 2023
”シン・”仮面ライダーと言えば確かにその通りで、庵野節満載の新機軸ライダーとして心がスッキリするエピローグでした。
THE FIRSTへより色濃く原作オマージュと現代解釈を踏まえた1作、そんな印象を受けた。これは一個人の感想ですが、仮面ライダーの名を冠することなく、別作品として見たかった。
— とね (@Yu_Sya_Oh) April 26, 2023
『シン・仮面ライダー』のレビュー・総評
映画視聴者は、仮面ライダーのファン、特撮ファン、庵野秀明監督のファン、ヒーローのファンと、幅広いのが特徴です。映画の感想は、おおむね好評で、特に特撮が好きな人には高評価でした。キャストも豪華で現代版である『シン・仮面ライダー』の世界に説得力を持たせています。細かい設定の違いや、物語が難しく感じることもあるかもしれませんが、アクションも多く、映像も充分楽しめる作品になっており、オリジナルの仮面ライダーを知っている人も、知らない人も楽しめる作品です。