ファイル共有ソフト「Winny」を開発したことで逮捕された金子勇氏が裁判で無罪を勝ち取るまでの事件を映画化。
日本のIT開発の分岐点にもなった事件を「ぜんぶ、ボクのせい」でメガホンをとった松本優作監督が脚本と監督を担当し、金子勇氏を俳優・東出昌大が演じます。
1人の天才日本人が世の中に起こした影響と、そして彼がいなくなった今、日本のテクノロジーの在り方について考えさせられる作品です。
Contents
作品情報
- 放送開始日:2023年3月10日
- 脚本:松本優作 岸建太朗
- 監督:松本優作
- 制作:伊藤主税 藤井宏二 金山
- 配給:KDDI ナカチカ
2002年に実際に起きた事件を基にした物語。革新的ソフト「Winny」を開発したことを罪に問われた金子勇氏が、無罪を勝ち取るまでを描いています。
監督は様々な社会問題を取り上げてきた松本優作。主演は、演技派とし活躍する東出昌大と三浦貴大。その他にも豪華キャストを添えて、日本を揺るがしたIT事件を描いています。
『Winny』のあらすじ
2002年に開発されたファイル共有ソフト「Winny」。インターネット上でつながった複数のパソコンでファイルを共有できるソフトは、P2P技術を加速度的に発展させ、不可能とされていた大容量データの送受信も可能にしました。
開発者の金子氏が「2ちゃんねる」上で「Winny」を公開すると、瞬く間にユーザーが増え、利便性に伴って次第に著作権侵害などの問題も指摘されだしました。また、その特性を悪用した情報漏えい系ウイルスも流行。事態を重く見た当時の政府は、「情報漏えいを防ぐ最もの確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないこと」と呼びかけるほどの社会問題になりました。
2004年、開発者の金子氏は、著作権法違反幇助の容疑で逮捕され、サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光氏が弁護団を結成。警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審で有罪判決が下されてしまいます。しかし、この事件は世界をも揺るがす事態へと発展するのでした。
これは、なぜ、1人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか、開発者の未来と権利を守るために戦った真実をもとにした物語です。
『Winny』の登場人物とキャスト
金子勇(東出昌大)
「Winny」の開発者であり天才プログラマー。2ちゃんねるのハンドルネームは、「47氏」。子どものようにプログラミングに没頭した人物です。
開発者・金子勇氏を演じるのは、俳優の東出昌大です。東出昌大は、2012年映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。主な主演作には、ドラマ『あなたのことはそれほど』、舞台『夜想曲集』、映画『GONINサーガ』『関ケ原』など。NHKにおいては、連続テレビ小説『あまちゃん』『ごちそうさん』、大河ドラマ『花燃ゆ』、『精霊の守り人』などに出演しています。
壇俊光(三浦貴大)
弁護士。金子氏が2004年著作権法違反幇助の疑いで逮捕・起訴されてから、7年半の年月をかけて無罪判決に導いた人物。
弁護士・壇俊光氏を演じるのは、俳優の三浦貴大です。三浦貴大は、2010年映画『RAILWAYS』で俳優デビュー。出演作品には、映画『永遠の0』、実写映画『進撃の巨人』、NHK連続テレビドラマ小説『エール』などがあります。
仙波敏郎(吉岡秀隆)
愛媛県警巡査部長。組織の不正に苦しみ、組織に屈しない警官。
組織屈しない警官・仙波敏郎を演じるのは、俳優の吉岡秀隆です。吉岡秀隆は、テレビドラマ『北の国から』の黒板純役や、『男はつらいよ』シリーズにおける寅次郎の甥・満男役で一躍有名になった俳優。その他主演作に『ALWAYS 三丁目の夕日』や『Dr.コトー診療所』があります。
北村文也(渡辺いっけい)
京都府警ハイテク犯罪対策室警部補。
金子氏逮捕に動いたハイテク犯罪対策室の警部補・北村文也を演じたのは、俳優の渡辺いっけいです。渡辺いっけいは、テレビや映画、舞台、ラジオと多方面に活躍している俳優です。舞台『リア王』、NHK連続テレビ小説『ひらり』『風のハルカ』『あさが来た』、ドラマ『美女か野獣』、『京都地検の女3』、映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、『ストロベリーナイト』などに出演しています。
秋田真志(吹越満)
Winny弁護団主任弁護人。
弁護団の主任としてチームをまとめた秋田真志を演じたのは俳優の吹越満です。吹越満は、テレビ、映画、CMなど多方面で活躍している俳優です。出演作品には、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』、大河ドラマ『軍師官兵衛』、『デカワンコ』や『きょうは会社休みます。』、『運命の人』や『ラストホープ』、映画『アンフェア the answer』や『宇宙兄弟』があります。
金子勇姉(吉田羊)
金子勇の姉。
金子勇の姉を演じたのは、女優の吉田洋です。吉田羊は、映画やドラマ、舞台、CMやナレーションと幅広く活動しています。出演作品には、ドラマ『純と愛』、『HERO』や『コウノドリ』、『真田丸』、映画『ビリギャル』、舞台『国民の映画』などがあります。
『Winny』に対するネットの評判は?
「Winny」むちゃくちゃ良かった…。骨太法廷劇だと思って観に行ったら、それに加えて超エンタメでものづくり映画で青春映画だった。法廷で主人公がとある暴走をするんだけど、そこが泣けて仕方なかった。ものづくりの本質見せられると思ってなかったよ。純粋さ。誠実さ。好奇心。めちゃ元気貰った。 pic.twitter.com/U3InlMOVYE
— 上田慎一郎 (@shin0407) March 20, 2023
梅田で映画「Winny」見てきました。40前後の男性客がビッシリ。シリアスなストーリーの中にもくすぐりがあって全く飽きさせない展開。警察、検察の生々しい描写が素晴らしい。リアルをよく描き切ったと思います。東出昌大でなければできなかったのではないかと思わせる傑作。これはNetflix等待ち遠しい
— K.Matsuo (@mk2021osaka) March 26, 2023
今日Winnyって映画見に行ったんだけどめっちゃ面白かった自分的には最近の映画でトップレベルで好き
考えさせられる作品だった— KURENAI (@KURENAI_beatbox) April 1, 2023
『Winny』のレビュー・総評
テクノロジーを作った人間は、テクノロジーを悪用する者の罪を背負う必要があるのか?という開発者の立場と考えさせられる作品。現代において大きな力をもつ情報の扱い方に恐れ金子氏を糾弾しようとした国家と、国家に翻弄されその才能を封印された金子氏、そして金子氏の周囲の人たちの思いが詰まった作品です。