【泣ける映画】Netflixオリジナル映画「浅草キッド」レビュー

2022年3月15日2023年1月21日

今回は、Netflixの泣ける映画・ドラマ・アニメをピックアップして「浅草キッド」についてご紹介します。

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ネットフリックスオリジナル作品「浅草キッド」とは？

ビートたけしの下積み時代の青春を描いた自伝「浅草キッド」を原作とした映画が、2021年12月9日よりネットフリックスオリジナル作品として配信されています。

監督・脚本は、芸人や作家・俳優などマルチに活躍する劇団ひとり。ビートたけしを敬愛する劇団ひとりが7年の構想を得て実現させた渾身の作品は、天才芸人誕生の成り行きとタケシの師匠である深見千三郎の愛のある生き様に胸を打たれる傑作です。

「浅草キッド」のあらすじ・キャスト

あらすじ

昭和４０年代、大学を中退したタケシは、浅草のストリップ劇場「フランス座」で働きながら、東八郎や萩本欽一を世に送り出した伝説の芸人・深見千三郎に弟子入り。仲間たちと一緒に切磋琢磨しながら芸に打ち込む。やがて漫才ブームが到来し、浅草の劇場は衰退。芸人として大成しようともがくタケシは深見の反対を押し切り、門下生だったキヨシと漫才コンビを組んでTVの世界へと足を踏み入れる。

浅草キッドの主なキャスト

ビートたけし：柳楽優弥
深見千三郎：大泉洋
千春：門脇麦
キヨシ：土屋伸之（ナイツ）
麻里：鈴木保奈美

素晴らしき師弟愛！映画「浅草キッド」のここに注目

タケシの才能に期待を寄せる深見千三郎と、それに懸命に答えるタケシ。師弟愛が画面から溢れ出るところがこの映画の最大の魅力です。そこで、師匠のタケシへの愛情が感じられる要所を見ていきましょう。

心に響くセリフの数々

「笑われんじゃねえぞ！笑わせるんだよ」

過剰にメイクをした女装姿のタケシに向かって言った深見のダメ出しの一言です。ビートたけしの笑いに対する意識の原点はこの言葉にすべて詰まっていると言っても過言ではないでしょう。

「下手な拍手してくれるな。こいつがダメになる。」

初舞台で緊張し、満足にコントが出来ないタケシに爆笑している客を睨みながら深見が放った一言です。浅い笑いはこいつの為にならないと啖呵を切るこの一言、成長を妨げることは許さないという師匠の弟子への愛を感じます。

「普段ボケない野郎が舞台でボケれるわけないからな。芸人だったらいつでもボケろ。」

居酒屋での食事が終わり、師匠の靴を揃えて出したタケシに向かって「隣の客のハイヒールを出せ！そしたら俺がボケるから」と深見が説教します。いつでも戦闘態勢で芸を磨けと日常生活の隅々で教え込み、それを忠実に実行するタケシと師匠のやり取りに目じりが下がります。

師匠から弟子へ受け継がれるタップダンス

この映画の２つ目の見どころは、師匠が自らタケシに教え込むタップダンスです。

ステップを１つ習得するごとに師匠とタケシの仲がグッと近づき、それは後にタケシの人生の要となる出来事のルーティンとして欠かせないものとなります。北野武として監督・主演を果たした映画『座頭市』での見事なタップダンスの演出にも師匠の教えが生かされていると思うと目頭が熱くなります。

人情の街・浅草

３つ目の見どころは映画のオープニングとエンディングで流れる、ビートたけしの名曲「浅草キッド」。その歌詞には浅草で過ごした青春の日々が綴られていています。成功できなかった友人や、衰退する浅草の街で時代に取り残されてしまった師匠のことを彷彿とさせ、哀愁漂う曲調に胸が締め付けられます。作中に出てくるクジラ料理の店は今でも浅草にあり、タケシも度々訪れては「若手芸人たちに飲ませてやって」と大金を大将に預けていくといいます。素敵な恩返しですよね。